俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
「オレがしたんじゃないのがわかったんなら、

いいよ・・・」

溜息をついたオレの肩を、

雷が掴んだ。


「学校行こう?」

「・・・あぁ」

・・・でも、やっぱりいきなり投げ飛ばされたのが、

悔しいと言うか、腹立つと言うか・・・

杏を見ると・・・ッ!


…全く、反省の顔色はない。

ふざけやがって。

「おい、龍?」

雷に呼ばれ、怒るのは止めた。

女に怒ったって、しょうがないし。

歩き出そうとしたオレの制服の裾を、

誰かが引っ張った。

・・・

驚いて振り向くと、

少し赤い顔をした杏の顔。

その顔に、不覚にもドキッとしてしまって。

言葉が出なかった。

紙切れを手渡され、

杏は駅の外に、走っていってしまった。
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