俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
…気が付くと、私は、雷君の手を握りしめたまま

雷君の膝の上で、眠っていたようだった。

…ムクット起き上がると、雷君も、首をカクンカクンとしながら、

眠っている。


…今までの事に、お礼を言いたくて、

私は雷君からそっと離れ、手紙を書いた。


『雷君、今まで色々迷惑かけて、ごめんなさい。

それから、私を暗闇から救ってくれて、ありがとう。

…私、もう、前を向いて歩き出せそうです。

…龍の事も、諦めます。…なんて、カッコいい事言ってるけど、

まだまだ未練ありまくりなんだけど・・・

でも、龍を苦しめたくないから、龍から離れる決意も出来た。

それも、きっと雷君が傍にいてくれたからだと思う。

…学校は、辞める事になるけど、雷君がイヤじゃなかったら、

これからもお友達でいてください…杏』


それを膝の上に置いて、私は部屋を出ていった。

そして、キッチンに、何日かぶりに立った。

…なんだか、お腹が空いて。

…雷君と一緒に、何か食べたくて。
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