俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
『私は『それ以上言わなくていいよ』

「・・・」

やっぱり甘えるわけにはいかないと思って、

自分の気持ちを言おうとしたけど、雷君は、

私の言葉を遮った。


「オレの事、好きになる必要はない。

オレの事は、『友達として好き』になってくれたらいい」


『…雷君』


「…好きになれないとか言われたら、結構傷つくからさ。

好きな女の子から言われると…だから、言わなくていいよ」

そう言った雷君はせつなげに笑った。


『…私は、優しい雷君が好きだよ。

いつもどんな時も私を支えてくれる雷君が好き。

…だから、これからも友達でいてください』


「・・・うん」

…お互い目を合わせて、フッと笑った。

今の雷君は好き。その好きに恋愛感情はないけれど、

それでも、好きな事に変わりはないから。


・・・高校を卒業するまで、この関係は続いていく。

その間に、雷君に好きな女の子は出来なかったし、

彼女なんかも、できなかった。

…私のせいで、作れないんじゃないかって、

凄く罪悪感があったけど。

雷君は、そうじゃないって怒ってる。

…だから、それ以来、私はその事を口にすることはなかった。
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