俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
そこまで言われても・・・

これから死ぬまでかかってもいい。

彼女の傷を、この手で、何とかしたい。

まだ一人前まではいかないけど、杏にその気持ちを伝えたい。

…オレの足は、杏の家に向かっていた。


…時間は午後2時。

杏がいるかどうかわからない。もしいなくても、

会えるまで、ここで待つ。


そう思いずっと、ずっと、待ち続けた。

気が付けば、午後9時を回っていた。



「…龍くん、かい?」

「…杏の」

オレの目の前に現れたのは、杏のお父さんだった。


「杏を、待っているんだね?」

「・・・はい」


「残念だけど、今日は帰らないよ」

そう言ったお父さんは切なげな顔をした。


「・・・どこに」

「友達と、卒業旅行に・・・

春からは専門学校に行くしね・・・

君は、もう、杏には会えないかもしれない」
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