俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
…それから4年が過ぎた。

オレは大学を卒業し、藤堂財閥の後継者になるべく、

3月から、藤堂がメインで経営する会社の社長になった。


まだ23歳。若すぎる。

会社の役員も、社員達も、みんな口をそろえて言った。

それでも、オレは逆境にも負けず、社長業をこなす。

…他社の社長たちからも、白い目で見られても、

歯を食いしばって…でも、表面上はいつも、冷静さを保って。


息切れがしても、絶対に一目には見せないと、1年頑張った。


・・・そんな時だった。

何の祝い事でもないのに、突然、オレ宛に送られてきた花束。

それに備え付けられていたカード。


『いつも頑張る龍へ』とだけ、書かれていた。


…『龍』。そう呼ぶ者は、誰一人いなくなったと言うのに。

一体誰が、この花束を持って来たのか?



「三枝(さえぐさ)さん」

秘書に花束を持って来た相手を聞く。


「…受付に持って来たのは、社長と同い年くらいの、若い女性だったと」

「・・・その人の名は?」

「名は名乗らなかったそうですが、胸元に、フラワーアレンジメント

『Anne』と書かれていたそうです」


「・・・」

もしかして。そう思った…花束の相手は。
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