俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
強力な助っ人と共に、私は『Anne』をスタートさせた。

花の仕入れから始まり、お花の世話。開店準備。

最初は目が回るほど忙しかった。

…でも、その大変な毎日でも頑張れた。


「藤堂財閥の親会社の、藤堂龍氏が、社長に就任しました」


深夜のニュースでたまたま見た龍の事。

…龍も頑張ってるんだ。

私ももっと、頑張ろう。そう思えた。


お店も少しずつ軌道に乗り出し、私は急に思い立ち、

花束を作って、とある場所に向かった。


「…すみません、お届けモノです」

受付嬢にそう言い、差し出した。

受け取ってもらえないかと思っていたけど、笑顔で受け取ってくれた。

私は安堵し、お店に戻った。


名前は書かなかったメッセージカード。

でも頑張ってほしいからあげた花束。誰だかわからなくていい。

それでもその花束で、龍が少しでも癒されるなら。


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