悪の皇女
「“何故”?」
ゆったりとした口調で繰り返される言葉。
「どの口がそれを言う。」
「な、何のことだ!イザベラ、こんなことを仕出かしてただで済むと思っているのか!?」
「勿論思っていないわ。」
「な、なら、今すぐ銃を下ろしてやれば見逃してやろう。ここで起きたことも盗賊の仕業と処理してやる!」
一筋の希望が見えたのか目を輝かしてそう言う国王。
しかしイザベラ皇女は一向に銃を下ろす気配を見せない。それどころかニヒルに笑った。