悪の皇女





「見逃さなくて結構。なにも、ここで見たことを貴方が黙っていれば良いだけのこと。永遠に、ね。」



もはや顔面蒼白の国王。ミモザに助けを乞おうにも彼は真っ先に殺された。胸をナイフで一付き。即死だったのか、足掻くこともなくミモザは崩れ落ちたのだ。


側近のミモザをチラチラ見る国王に気付いたイザベラ皇女は金色の目を愚かな男に遣る。



「この男は欲張りすぎたわ。

そして貴方も。」



その言葉に国王はただ、ただ、目を見開く。そして驚きのあまり声すら出ず、イザベラ皇女を食い入るように見つめた。
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