悪の皇女
「これが普通の仮面舞踏会ならどれだけ良かったか。これが国家を治める者達の集いだと思うとヘド出る。」
「…っ」
「富、名声、力。貴様は何を欲す?
ああ、違う。貴様等は何を欲そうとした?」
「…どうしてお前は…
何故知っている!?」
知るはずもない“計画”を何故かイザベラ皇女は知っている。のうのうと“皇女”を務める娘はいつの間にか“此方側”に居た。それが国王のミスだった。キャロライン皇女と違い、イザベラ皇女が“裏側”を知るべきものだと気付かなかったのが痛恨のミス。
「フッ。わたくしは“皇女”だ。」
皇女だから知らないと思っていたはずが、イザベラ皇女は“皇女”だから知っていると述べる。キャロラインの言う“日溜まりの皇女”とはまたベツのもの。