悪の皇女
もう勝機はないと悟った国王。
そしてこの日のために――‥。“同盟”を組んだ者を纏めて始末する日のために着々と計画を進めてきたイザベラ皇女を睨み付ける。
これまでの“イザベラ皇女”はなんだったのか。傲慢な姿は酷く滑稽だが、利用価値があると思った。キャロライン皇女のように朗らかではなく狡賢いイザベラ皇女は駒に出来ると思ったのだが―――――――騙された。
「このッ悪魔が!」
「ふふ。どの口がそれを言う。」
目の前にいる女が本当に己が知る“イザベラ皇女”だったのなら“此方側”に着いただろう。
しかしどうだろうか。国王に寄り添うどころか反逆を冒した。終焉への狼煙を上げたのだ。