悪の皇女





「安心しなさい。
せめてもの慈悲で苦しまずに逝かせて上げるわ――‥御父様。」



ガチャり。


引き金に手を掛ける。



「幾多の国を救うためには一つの国が犠牲にならなくてはいけない。それもこれもすべて、貴方のせいよ御父様―――‥。
覇者になるべく、
世界大戦を巻き起こすつもりだなんて―――‥。

愚かだわ、国王陛下。
どうかあの世で皇族であったことを恥じて下さい。

誇り高き皇族の血を穢したことを悔いるがいい。」



―――――――そう言うも、既に引き金は引いたあとだった。
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