悪の皇女





ピクリとも動かなくなった国王を見てから銃口を下げる。揺らめく煙は虚しく残ったまま。



「さようなら、愚かな御父様。」



単調な声で別れを告げて広間を出ようとする。しかし足元に落ちる仮面を踏んでしまったとき、



「御、姉様?」



――――――パキン。


蝶々が真っ二つに割れた。
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