悪の皇女
卑怯と賢いは紙一重
「御姉様、これは一体、どういうことですが?こんな、こんなにも血が…っ!仮面舞踏会だと御父様は仰ってました…!なのに、どうしてこんな…。倒れてる皆さんは、」
「死んだわ。」
普通ならイザベラ皇女に駆け寄り安否を確認する筈だが、そうしないのはイザベラ皇女が“異常”だからだろう。
大勢が血の海で倒れるなかイザベラ皇女だけが平然と突っ立っている。何事もないかのように。この有り様に驚く様子が無い。
平然と“死んだ”と言って退けるイザベラ皇女が、キャロライン皇女の目には異常に映った。