総長からの「愛してる」





そんな男を一瞥 (いちべつ) した俺は、美愛のもとへ歩く。




ソファーの上にいる、苦しそうな様子の彼女。




俺の手で、安心させて守って、抱きしめてキスをして。



近くにもいてやれねぇ彼氏なんて、やめろよ。




俺にしろよ。






涙の跡がある頬をゆっくり撫で、



変わらず綺麗な黒髪に指を通す。




なんで、こんなに愛おしいのか。




可愛くて仕方ねぇ。





「美愛、俺を受け入れろ。」



最後に、唇にキスをする。





そっと、腕を美愛の首の下と膝の下に通して持ち上げる。




見た目通り、軽い。



ちゃんと飯を食っているのか、心配になる。





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