総長からの「愛してる」



そいつは、何かを懐かしむように、俺らに話し出した。




「でも、それは俺たちの期待なだけで、かなくんは納得しなかった。
かなくんの側には、もっと強い奴がいたんだってさー。」




それはきっと、廉のことなんだろう。




廉の家は特殊だから、友達なんていなかったらしい。



だから、幼馴染っていうのは一般人な俺たちとは違うんだろう。




大切で、唯一無二の存在。



廉にとってはきっとそうだったんだろう。



けど、そいつはどう思ってたんだ?




廉は生まれつきの天才型だ。その上、努力を惜しまない。



なんでも完璧にこなすんだ。




それを自分と比較しないことは、ないだろう。




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