総長からの「愛してる」
俺はそんなアキラに答えず、立ち上がると美愛の方に近付く。
俺が見つめる先。
それは、ソファーの横に置いてある美愛のであろう鞄。
「………電話か?」
今だに鳴り続ける音を頼りに、鞄の中を勝手に漁る。
無礼だと思いつつも、この女の親だったら色々まずいからな。
「………は?」
俺は予想外のことに驚いた。
「昴さん、どうしましたか?」
「………アキラ、携帯何台持ってる?」
「いや1台ですけど。普通そうじゃないですか?」
「だよな。」
聞いた俺が馬鹿だった。
だが、それ相応の理由がある。
俺が鞄から探し出した携帯は2台だったからだ。