総長からの「愛してる」
『どんな奴……ねえ…』
少し思案した様子のそいつは、間を置いてから喋り出す。
『最高で俺様で自分勝手な自由人。
誰よりも美愛を愛して、大切にしてた。
けど、
ーーー誰よりも最低なやつ。』
最高で最低?
矛盾している。
けど、それを言いながらもそいつは最低なんて思ってないんだと思う。
さっき、日向の幹部が自分の総長を語った時みたいな声。
尊敬して、誇らしく思ってる声。
『急にいなくなるなんて卑怯だよな。
俺だけならまだしも、美愛まで辛い思いをさせてさ。』
「待て、今、いなくなるって……」