総長からの「愛してる」
「救われてもいいの?」
大切な人のための怒り
《side 廉也》
ブンッ
フッ
耳元で風を切る音が聞こえる。
次に後ろへと跳べば、俺が今いた場所に回し蹴り。
左に体を捻れば、右に飛んできた拳を捕まえて、相手の勢いを使って空中へと放り出す。
「さすが、だな。」
空中で体制を整え、着地する要。
相変わらず、器用な野郎だ。
「そっちこそ、アクロバティックなのは相変わらずだな。」
総長同志のタイマン勝負。
仲間のためにも負けられねぇし、なにより美愛のあの姿……許せねぇ。
「廉也、手は抜くなよ。」
要の声に深く頷く。
今回ばかりは、無意識でも手なんか抜かねぇよ。