総長からの「愛してる」
『読んでるよ』
違うな、それはこっちのセリフだ。
『甘いんじゃない』
全ての蹴りに全力なだけが喧嘩じゃねぇぞ。
『舐めんなっ!!』
お前のことを見下したことなんか、一度だってねぇよ。
「っくそ!」
飛んできた拳と蹴りを避ければ、いつも冷静な要の顔が歪む。
怒りでいっぱいだった頭も、喧嘩をして大分冷えてきた。
……とはいえ、殴らなきゃ気が済まねぇ。
だから、悪いな。
………俺は本気だ。
「っ?!」
上に跳んで、要の蹴りを避ける。
そして踵を振り下ろす。
一瞬遅れて避けた要。
視線は俺から一瞬逸らされる。
「俺を見てた方がいい、と忠告したはずだ。」
その逸れた一瞬で、俺は要の後ろに回り込む。