総長からの「愛してる」
「要はさー、気負いすぎたっつうの。
てか、あの馬鹿をさっさと黙らせろよ。」
もう一人の幹部が前に現れて、要の頭を軽く殴る。
良い奴らに出会ったな。
「一段落したところで、話がある。」
しばらく賑わったこの場で、俺は要に声をかける。
「お前が美愛に何かしたとは思いたくねぇけど、あの様子じゃそうも言ってられねぇ。」
「ああ、あの子ね。」
要は、緩み切っていた顔を引き締め、俺をみつめる。
「あの子、なんか闇がある。
僕らと普通に喋ってるうちに急に叫んで気を失った。」
「………。」
普通に、と言っても族の中じゃ微妙だが。
そこまで圧力はかけてねぇってことか。