総長からの「愛してる」
生きるために必要なもの
《side 美愛》
目を開ければ、見慣れない黒い天井。
既視感。
……最近もこんなことあった。
間違いない。
ここは龍嵐の倉庫。
「気絶……しちゃったんだよね。」
まだ、あんな忌々しいトラウマを引きずっている。
………最悪。
また思い出しそうになった頭を振り払う。
「………また鞄無い。」
人質……いや、物質かな。
「起きたか。」
「?!」
突然声をかけられて、横を振り向く。
ドアを背にして立っている、十六夜 廉也。
一体いつから………いや、最初からか。
「……また、助けられたのね。」
「嫌だったか?」
「借りは作りたくないの。」