総長からの「愛してる」
お風呂場に入る直前で立ち止まる。
「悠…」
「なんだよ?」
「……ありがとう。」
私は振り返らずにそう言って、お風呂場へと入る。
恥ずかしくてなかなか言えないけど。
いつも、ありがとう。
本当に悠には感謝でいっぱいだ。
「……そういうとこが、卑怯なんだよ。」
残された悠希は呟く。
痛む胸を無意識につかむ。
「お前の力になれるならそれでいい。
ダセエだろ俺。
期待なんか、すんじゃねえよ。」
ポツリ呟いた言葉は美愛の耳には届かない。
儚く響いたその声は、彼にしか聞こえない…