総長からの「愛してる」
大好きが生んだ孤独
《side 美愛》
「……ごめんね。」
「気にするな。そういう約束だ。」
渡された封筒。
中は、大量のお札。
胸が締め付けられ、泣きそうだ。
彼と “取引” をしてから、もうすぐ一ヶ月が経つ。
夜に出かける理由が無くなり、未來といる時間は増えた。
金銭面でも困ることは無くなった。
幸せ、なんだと思う。
だからこそ……廉也に申し訳なかった。
売りをやめてから、
失ったものは、
心の痛みと、苦しみ。
手にいれたものは、
幸せな時間と、お金。
何も私にとって不利益なことは無くて、
それなのにお金は手にはいる。
代償がない幸せなんて、初めてだった。