総長からの「愛してる」
廉也は、お金に困った素振りを見せたことはない。
実際、困っていないんだと思う。
でも、やっぱり心苦しい。
お金をもらう度に、申し訳なさも増す。
「ねえ……やっぱり…、こんなの…」
「売りはしねぇ、そういう取引だ。
そんな悲しそうな顔すんな」
頭を撫でられ、廉也に言葉を遮られる。
ねえ、廉也。
あなたが大好きだ、と言ってくれたから
もう一度自分を大切にしようと思ったんだ。
私は、あなたに何をしてあげられる…?
ーーーいつか、あなたに「大好き」を返すから。
だから、もう少し待っていて。