総長からの「愛してる」
「私を本気で理解しようなんて思ってる人は、ほんの限られた人だけだから。」
私は鞄を持って立ち上がる。
中途半端な “興味” は、いつか捨てるという行為に繋がる。
期待なんて、無駄なこと。
「じゃあね。」
海斗が出て行ったばかりのドアノブに手をかける。
「帰るのか?」
「うん。送りはいらな……わかったから。いつものコンビニまでお願いします。」
扉の外に、壁に寄りかかって廉也が立っていた。
こいつ、聞いてたな。
何も言わずに、私の手を握って廉也はバイクまで向かう。
途中にいた龍嵐のメンバーの皆は、廉也だけに挨拶していた。