総長からの「愛してる」
クローゼットから、未來の服と自分の制服を取り出す。
私と悠は同じ高校。
でも、学校ではお互いに知らないフリをしている。
なぜなら、私たちの学校は不良高だから。
不良高っていっても壁に落書きとかじゃない。
学校の外見はいたって普通だが、通う生徒の中に暴走族が多いだけだ。
悠も私も暴走族に入ってはいないけれど、悠はそのイケメンな容姿からモテる。
クラスが違うのに、下手に関わって、ギャルの女たちから睨まれたくない。
悠も、それを望んでない。
「………よしっ。」
いつものスクールバックに、必要最低限を入れて、着替えた自分に喝をいれる。
悠の家に戻ったら、未來を起こして準備をして、保育園に連れて行く。
変わらない日常が、始まる。