総長からの「愛してる」
授業中の教室に響き渡る、聞き覚えのない声。
教室のドアに、私の名前を呼んだらしき人の姿が見えた。
全く見覚えのない、男子生徒。
髪は派手に青色をしていて、耳にも虎の派手なピアスが付いている。
また、不良か……
「あ………見覚えあるな…」
そう言ったのは、意外にも海斗だった。
「海斗の知り合いなの?」
「いや、知り合いってほどじゃなかった気が………」
藤堂奏は見覚えがないみたいだけど、海斗は額にしわを寄せて考え込んでいる。
「美愛さん、大変なんです…!!」
とても慌てた様子の彼は、教室にいる私を見つけて言った。