総長からの「愛してる」



そういえば、いつも以上に廊下が騒がしい気がする。





「あ!思い出した。
お前、ホテル街で美愛を連れ去った時に声をかけてきた奴だ。」



海斗の言葉に、私は彼の正体に検討が付いた。




ホテル街といえば、私が高熱で倒れた時だ。



だとしたら、多分……悠に憧れているという、例の『後輩くん』だ。




ということは……悠が関係しているに違いない。




そして後輩くんは、衝撃の言葉を続けた。





「悠希さんが、中庭で喧嘩してて……止められないんです!」





気が付けば、後輩くんも押しのけて、必死に走り出していた。



なりふり構わずに、中庭に向けて全力で走る。





「美愛」



……後ろから、廉也の声が聞こえた気がした…。




< 187 / 443 >

この作品をシェア

pagetop