総長からの「愛してる」
二人ともわかった、というように歩きだす。
目指す場所は、当然中庭だ。
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ガッ
ドガッ
中庭に近付けば、俺たちには聞き慣れた音が響く。
「ぅっ………」
「や、やめてくれぇぇえええ!」
「降参だ……っぐ、ぁああ」
大分派手にやっているらしい。
殴る音、蹴る音……そして恐怖に支配され許しを得ようとする悲鳴。
「どけ。」
「はいはい、通してね〜。」
集まった野次馬たちの集団の中に、海斗と奏が無理矢理道を作る。
そして、目の前から人がいなくなった視界に、見えた光景。
それは、想像を絶するものだった。