総長からの「愛してる」
「こりゃ、ひどいな……」
「まじ……なの?」
海斗と奏が呟くほど、圧倒的な光景。
中庭の中央。
顔や体から血を流した10人近い男が倒れている。
そして、もう戦意がない数人の男と、それに一方的に殴りかかる男。
あまりにも、一方的すぎる。
多分、直接仕掛けたのは倒れている男達の方だろう。
だが、たった一人で戦うその男は、強すぎた。
ここからでも、わかる。
……隙がない。
「は……る……」
その様子を見ていた俺の耳に届いた声。
視線を向ければ、俺たちや野次馬よりも前で、唖然としてその光景を見ていた。