総長からの「愛してる」
「悠希さん、龍嵐の総長ですよ。
頼むから敵には回さないでください。」
疲れたようにため息を吐いたのは、さっき美愛を呼びに来た男。
「ああ、お前が龍嵐の……いや、つうか説明されなくても知ってる。」
美愛から俺に変えられた視線。
頬の手も、離れた。
「なら、丁度いい。話がある。
……拳で語ってもいいけどな…?」
「安い挑発には乗らねぇ。
こっちからも話がある。」
こいつ、何者なんだ?
この辺で悠希、なんて名前は聞いたことがない。
「美愛は、お前らには渡さない。
美愛の心は、永遠にあいつの物でいいんだよ。」