総長からの「愛してる」
“あいつ” っていうのは、美愛の彼氏のことだよな。
「お前、知ってるのか?」
「美愛のことなら、“この世の”誰よりも知っている。
だから断言しておく。」
男は、おれを真っ直ぐに見つめ、確信したような口調で言い切った。
「美愛がお前らに心を開く日が来ることは、万が一にもあり得ない。」
口を開いた俺よりも先にそれに反発したのは、奏だった。
「そんなこと、わからないだろ!!」
「わかる。なぜなら、お前らは美愛を知らなさすぎるからだ。」
「悠、もうやめて…っ!」
隣で腕を引っ張る美愛に、男は一度顔を向ける。