総長からの「愛してる」



「ごめんな。
でも、お前を手放す訳にはいかない……」




その言葉に、今度は美愛が傷付いた表情をした。



その理由がわからない俺は……確かに美愛を知らなさすぎる。




「お前は美愛をどこまで知った?
彼氏がいることか?……それとも、」



美愛を見たまま、男は言った。




「彼氏が死んだことか?」



「悠っ!!」




叫ぶ美愛に、相変わらず男は悲しそうな顔を向ける。




そして、その言葉に反応を示したのは、他にもいた。




「あの女の彼氏、遠距離だって……言ってたじゃん…」



「ある意味遠距離に違いねえけど……なるほど、どおりで嘘に見えないわけだ。」



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