総長からの「愛してる」
「なあ、美愛……帰れなくてもいい。
だからさ、もう一度あの街に行きたい。」
それは、悠の心からの望み。
時間を戻したい、なんて残酷すぎて言えないけれど、
あの街に帰りたい。
「悠……本当はダメだってわかってるけどさ、一度くらい許されるよね?」
この1年、私たちは後ろを振り返る余裕が無いくらい頑張ってきた。
癒えない傷を心に残したまま、ろくに治療もせずに必死に生きてきた。
少しくらい、休憩があってもいいよね?
「今度の土曜日、美愛を保育園に預けて行こう。」
「いいのか?」
「……少しだけ、休みたい。」
「ああ。」