総長からの「愛してる」
あの時間に囚われた
「聞いてたの?」
「安心しろ、この部屋は完全防音だ。
何も聞こえてねぇよ。」
……この倉庫、いったいいくらかけているんだろうか。
半分呆れつつ、目の前の廉也が真剣な表情をしていることに気付く。
「あのムカつく野郎、誰だ。」
「ムカつく野郎……?」
誰だ、は私のセリフだと思う。
全然わからない。
「お前が、今日一緒にいた男だ。」
廉也はなにかを我慢するように、声を必死に落ち着かせようとしている。
逆に、低くなってて怖い……
「あ……えっと、もしかして悠のこと?」
「悠、ってあれか。
この前の電話のやつだよな?」