総長からの「愛してる」
あまりにも予想外すぎる質問で、私は思わず廉也を見上げようとした。
けど、ぎゅっと、まるで離さない、とでも言うように抱きしめられ、顔が上げられない。
「うーん……考えたことない、かな。
そもそも出会ったのは、彼氏の親友としてだし、彼がいなくなってからは生きるのが精一杯だったから。」
正直、本当に考えたことなかった。
そういう存在として見たことは一度もないし、トキメキとかを感じる余裕もなかった。
「そもそも私にとって、悠はお兄ちゃんみたいな存在なんだよ。
かけがえのない存在で、当たり前の関係だから、多分これからもそういう関係について考える必要はない、と思う。」
廉也は安心したのか、私の肩に顔を埋めた。
近すぎる距離に、心が爆発してしまいそうになる。