総長からの「愛してる」
「とりあえず、聞いて?ね?」
「……聞くだけだぞ。」
そう言いつつ、私の頭を撫で始めた廉也の手は優しい。
「行きたい場所があるの。
悠が言い出したことだけど、私も行きたいから……
今度の土曜日に行きたい。」
「それは、重要なことか?」
そう言われると、返答に少し困ってしまう。
私と悠にとっては、とても重要なこと。
でも、行ったからといって、何も変わらないし、何も出来ない。
「難しく考えなくていい。
俺には遠慮せずに、お前の気持ちを話せばいい。」
見上げた廉也の顔は、やっぱり優しい。
「何も変えられないけど……すごく大切な場所だから…」