総長からの「愛してる」
うまく言えない。
けど、廉也には気持ちが伝わったみたい。
「わかった。行けばいい。
他の男と出掛けるなんて、これが最後だと思え。」
そう厳しいことを言ってるけど。
表情が温かいから……説得力ないよ。
「ただし。」
瞳には鋭さを携えて、廉也は私の指に自分の指を絡める。
「護衛を1人つける。
あの男と一緒なら大丈夫だと思うが、念には念を入れる。」
なんだかんだ言っても、私を尊重して1人だけにしてくれた。
不器用な優しさ……
「お前が戻ってくれば、それでいい。」
ぎゅっと握られた手を、
私は強く握り返した。