総長からの「愛してる」
《side 奏》
美愛が帰ってから数時間。
外はすっかり暗くなっていたが、中は夕方より騒がしい。
「奏、今度奢れよ。」
「なんでそうなるのさ。」
「理由を言わずにいきなり、夕方の幹部室入室禁止されたのを、文句言わずに守ったんだぜ?」
海斗がぶつぶつうるさい。
どうせ女と遊んでたんだろ?、と睨み返せば口笛を吹きながら視線をそらされた。
「あ、そういえば、みんなに言いたいことがあるんだ。」
俺がそう言えば、ここにいる廉也を含めた幹部全員の視線が集まる。
「俺は、美愛を認めるよ。」
その言葉に、旭があからさまに不機嫌になる。
そして、海斗は興味なさそうに携帯を弄り始めた。