総長からの「愛してる」
「私にその資格はない」
帰りたい場所
《side 悠希》
土曜日。
待ち合わせ場所まで行けば、まだ美愛は来ていない。
そりゃそうだよな……
30分前に来ている自分に、我ながら呆れてしまう。
本当は一緒に来ても良かったんだけど、美愛は、
『未來を保育園に送る時間まで付き合わせられない』
と、拒否をした。
俺には、遠慮なく我儘でいればいいのに…
美愛は、この一年苦しんできた。
死のうとした美愛を、何度も止めたし、
誰も信用としなかった美愛に、手を差し伸べ続けた。
だからこそ……あの場所は、美愛のために行かなくてはいけないんだ。