総長からの「愛してる」
「………チャラい。」
「うるさい。俺だってこんな趣味ねえっつうの。」
世の中のチャラ男さんには悪いが、俺は派手な服は苦手だ。
基本俺はモノクロで固める。
でも、今日だけは特別だ。
俺らがこんな変装まがいのことをしている理由は、一つ。
あっちに行った時、知り合いに見つからないようにするためだ。
俺と美愛は、あの街を捨てて、逃げてきた。
もう二度と、帰ることすら、許されないほど最低な行為。
それでも、そこは俺らの『故郷』だから、帰りたい。
まあ、事情あって俺らは逃げたわけなんだけど、厄介なことに巻き込まれないためにも、わざと変な格好をしようと考えた。