総長からの「愛してる」
一瞬迷った素振りを見せ、美愛は手を俺の手に重ねた。
ついこの間までは……抱きしめるときですら抵抗しなかったのに。
“悲しみ” “悔しさ” “切なさ”
最近はいつだって、こんな感情ばかりだ。
でも、やっぱり “愛しい” この感情には、なんだって勝てないんだ。
だから、お前だけは、俺のそばにいて。
俺はもう、お前を守ることだけが生きる意味だから。
「ーーる、悠!」
「ん?」
「ぼーっとしてたら、電車遅れるよ。」
つい自分の考えにのめり込みすぎたみたいだ。
「おう。行こうか?」
金髪の髪を揺らし、美愛は俺に笑顔をみせた。