総長からの「愛してる」



「相変わらず、大きい……」



「大したことねーよ。
俺の家は金持ちの世界でいえば、パーティーにもろくに招待されないような小さい所だからな。」




一般の人に比べたら、金持ちであはあるけど、実際俺の家よりデカイ所はいくらでもある。



まあ、だからこそ、親父たちは躍起になって会社ばかり気にしてるんだけどな。




「会社のことしか、考えてないような家族の “か” の字もないような家だ。」



「それでも、悠は優しすぎるから……
ご両親を見捨てられないんでしょ?」



「…………。」




それは、優しさじゃない。



捨てようと思えば、捨てられたこの家を捨てられなかったのは、



俺の甘さにすぎない。



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