総長からの「愛してる」



「………お前の顔、どこかで見たな。」



確か神大は、俺らよりも年下のはずだ。



「……年上に敬語使えよ。」




俺が睨みながら言えば、無表情を変えずに神大は俺を凝視した。



「……その年上に見えない童顔は確か……龍嵐の藤堂奏だよな。」




わざとなのか、これが普通なのか……その無表情や仕草から後者だと推測する。



人が気にしていることを言いやがって。




「というか、完全に俺らの敷地なのに、なんで龍嵐の幹部が一人でいるんだ?」




そう言ったあと、神大は何かを考えるような素振りをする。



まずい……


多分、こっちとしても美愛にしても、バレたら悪い方向に行くだろう。


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