総長からの「愛してる」
でも、ゆっくりマイペースで進んでいたけど、奏は信じようとしてくれただろ?
美愛はそのまま変わらずに、自分のペースでいればいい。
何があっても俺が側にいてやる。」
「私は……っ、私は……!!」
俺の腕の中で、迷うように……でも何かを捨てたように、美愛は口を開く。
「ただ……愛情が欲しかったの……。」
そして、美愛は少しだけ、自分のことを話してくれた。
「………私の家庭は複雑で……幼い頃に施設に入れられてから、何年もそこだけで生きてきた。
親戚には見捨てられ、
施設の子というだけでいじめられ、
仲の良い子は、どんどん引き取られて施設を出て行った。
……気付いた時には、もう、一人ぼっちだったの。」