総長からの「愛してる」


地獄だった。



私は施設内ではいじめられる側でもいじめる側でも無かったけど、



施設の中で毎日聞こえる叫び声



学校に行けば『孤児』というだけで、ストレス発散の道具となる。



そして、見ないふりの教師や施設の職員。




「どうして、生まれてきたんだろう?」



理不尽な自分の世界が許せなかった。


全てが……自分の存在すら憎かった。






だから、私は決意をした。




「中学を卒業したら、ここを出るんだ。」


この地獄から逃げてやる、と









そして、その日の夜、施設を試しに抜け出した。



歩いていける距離にある、ホテル街と夜の街。


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