総長からの「愛してる」
絶望の崖っぷちだった。
この世界に自分が生きていることすら耐えられなくて、
自分のことを消したくて……
足は自然と海へ向かう。
「どうせ誰にも……必要とされない命だもの。」
近くにいない家族にも
私を孤児院に連れて行った親戚にも
いじめる側の同級生も
知っているのに助けてくれない先生も…
誰も、私がいてもいなくても変わらない人生を送っている。
ホテル街を抜け、繁華街を通り過ぎ、
住宅地をしばらく歩けば、海に出た。
自然と運ばれる足。
それは、完全に海の……その先へと向かっていた。