総長からの「愛してる」
「ここを出ようと思います。」
「そうですか。」
「迷惑はかけません。
今までありがとうございました。」
形式だけの挨拶。
突然こんなことを言われたら、普通は止めるんだろうけど、ここはそんな温かい場所じゃない。
でも、あり得ないけど……万が一にも大騒ぎされたら困るから。
「さようなら」
「…………。」
真夜中、12時前。
私は、扉を開けて、一歩踏み出そうとして……
「これを持って行きなさい。
あなたの親からよ。」
渡されたのは、封筒。
開けてみれば、入っているのは大量のお札だ。
「……どうして……」