総長からの「愛してる」
一人、夜の海を後にして、
私は家への道を歩き出す。
身体を売ることに慣れ、
当たり前のように繰り返し、
これが『等価交換』だと信じる。
握る手の中のくしゃくしゃのお札は、
汚すぎる、お金。
でも、生きていたいから。
私の生きる意味が、たとえこの世の誰にとっても理解できない、ちっぽけな願いでも……
私は、救われたから。
私だけがわかっていればいいから……
そう、思っているはずなのに…
出てくるのは、噛んだ唇から漏れる嗚咽と止まらない涙。
「明日は、入学式だよね。」
ただ、切実に……速く大人になりたいと願う。