総長からの「愛してる」
そんな行為を遮ったのは、低く、威圧感と強さのある声。
聞き覚えのない声だけど……絶対に周りの男たちの声とは違う。
だって、声だけで、こんなにも魅了されてしまうから…
「誰だおまえ?」
「黙らせようぜ。」
「待てっ!この男、鳳凰じゃないか?!」
「まさか……!」
途端に騒ぎ出す男たちの声に、反射的に目を開くと……
見えたのは、桜を背景に美しく舞う男。
ーーーううん、違う。
喧嘩、だ。
喧嘩のはずなのに……なんて軽そうなんだろう。
軽やかに、流れるように……あまりにも洗練された動きに、目を奪われた。
さっきまで騒いでいた男たちは、悲鳴をあげながら逃げて行く。